ファーストステージ

株式会社スニップ 代表取締役会長の清水です。僕が初めて働くということを意識したのは高校の時のアルバイトです。初めてのアルバイトでとにかく一生懸命働きました。ファーストフード店でしたのでかなり忙しい店舗でした。店長や先輩から教わったことを真面目に取り組んでいたので気に入ってもらえたように思います。やがて就職して、1年目は覚えることがいっぱいです。指示されたことを間違いなくこなしていく働き方はアルバイトで経験したことが活きていました。

セカンドステージ

2年目になると後輩ができて、先輩としての仕事や後輩指導など今までのように指示されたことだけをすればいい仕事から、自分で考えなければいけないことが増えて戸惑いました。まだ心の準備もできていなくて、偉そうなことを言うのも気恥ずかしく、どっちかというと後ろ向きなことばかりを言っていました。ある日、同僚と会社の愚痴や上司の悪口を言っているときに、なぜか自分のふがいなさに悔しくなり、その日を境に愚痴や悪口を言うのをやめました。

サードステージ

4年目になるときに「店長をしないか?」と社長から声をかけられて店長になりました。初めての肩書にうれしくなりました。お店の中ではトップになっていろんな人と仕事の話をする機会が増えました。にわか仕込みの知識や受け売りを、さも自分が考えたことのように相手かまわず語っていたように思います。かなりうざいタイプですね。上手く指導できないことを後輩のせいにして責任転嫁していました。

第4ステージ

30歳で独立し誰にも頼ることのできない環境になり、人のせいにすることもできない状況になりました。この時期は数々の失敗を繰り返し、そのたびに挫折、後悔、失望し、また一からやり直すということを経験しました。前に進むというより進まざるを得ない場所に立ってしまったという感じです。それでも周りの仲間を見て刺激され自分も頑張らなくてはと鼓舞しました。

第5ステージ

お店を増やすことになり、従業員さんが増えていくと、その人たちの生活や未来を考えることが増えて、ただ毎日を頑張るだけではダメだと思い、未来を考えるためにいろいろな勉強を始めました。そこで未来を考えている人たちと出会い、今まで付き合っていた人たちとは違う、未来を考えて今を生きる視点を持つようになりました。

第6ステージ

現場で仕事をすることを辞めて、オフィスで経営者として働くことが主となり、自社のこと、業界のこと、世の中の事を勉強し、お客様や、社員さんの幸せを実現するためにはどうすればいいのかを考えて実行していくことを仕事にするようになりました。ただ認められたい願望が強く、いい経営者に見られるように鎧を何枚も重ねていったように思います。

第7ステージ

自社のことだけではなく、いろいろな団体や組織の中で責任を持つようになり、より高い視点が必要とされる立場になりました。しかし、そこで必要なのは高度な能力や難しい知識ではなく、何が人として正しい事なのか?何が普遍的な原理原則なのか?などの考え方が必要とされました。鎧など何の役にも立ちません。素の自分が試される場所です。

ステージが上がるほど権力や地位が自分を悪い方向に行くことを簡単にします。この場所では自分を律すること、誰も見ていないところでも人としての正しさを追求することが大切だと思います。これはこれまでの人生で尊敬する偉人の方々が皆仰っていることです。今はこの辺りを生きています。まだまだこれからたくさんのステージが表れると思いますが、今のステージを一生懸命に全うして、次のステージに挑戦したいと思っています。

Writer

株式会社スニップ 代表取締役会長

清水 幸樹さん

このライターの記事一覧

Top