介護×農業×障がい 連携で未来の福祉の在り方を模索

株式会社TRUST Relation

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古民家を利用したデイサービスと、サービス付き高齢者向け住宅を運営する「TRUST Relation」(和泉市)。悔いのない最期を迎えられるよう、一人ひとりに寄り添う介護を続けている。加えて、障がい者グループホームや農業にも着手。各事業がつながる枠組みを模索している。「介護という枠にとらわれず、子どもたちに憧れられる生き方をしたい」と話す田井大介社長に、目指すミライを聞いた。

代表取締役社長田井 大介さん

「価値ある生き方」子どもたちに残したい

――事業の目的は?

仕事を通じて育まれる「価値ある生き方」や「人間関係」を子どもたちに残していくことが事業の目的です。最期の死の瞬間までをどう過ごすかは、人生においてとても重要です。介護の仕事によってその人の人生の豊かさが変わる。介護職とご利用者様の「価値ある生き方」や「人間関係」をどう最大化するかを常に考えています。

「価値ある生き方」や「人間関係」は、私自身の目標でもあります。子どもや孫は、自分をどう理解してくれるか。ブレずに生き抜いて生きた証を残し、大切な人から「あの人だったらどう生きるだろうか」と基準にしてもらえる生き方をしたいのです。そのために大切なのは、何よりもまず楽しむこと。介護職が心の底から楽しんでいれば、利用者さんにも伝わると思っています。

TRUST Relationは、さまざまな新規事業を展開していますが、進めるにあたり「みんなが楽しむことができるか」を判断の要素に入れています。以前、図面が仕上がり、家賃を決めるところまで進めていた新施設建設計画を白紙に戻したことがあります。コロナ禍で、建築コストも高騰しているから家賃を高く設定しなければならなそうだ……。そんな不安が会議中の空気を重くしていたので、「一回やめるか!?無理して大きい施設を建てても大変やから」とみんなに提案したのです。

その瞬間、みんなの肩の力が抜けたことがわかりました。そして当時の自分の希望として「利用者さんやスタッフ、子どもたちに健康な食事を安定的に提供するために本気で農業をやりたい」と話したところ、みんなが笑顔になって、どんどん前向きな意見が出てきたので、自分たちが楽しみながら介護の事業を続けていくためにも、農業をやることに決めました。

“普通でない”介護の会社

――目的を果たすための方法は?

よそにはない自分たちらしい楽しい空間をつくり、利用者さん一人ひとりの人生に寄り添うサービスを積み重ねていくことです。

一般的にご家族からご利用者様をお預かりする介護業界は、ケガをしないように外出を控えるなど、リスクを回避したがる傾向がありますが、当社では、末期がんにより余命2週間の方でも行きたいと願う場所があれば、ご家族に代わって一緒に出かけることもあります。

身寄りのない入居者が亡くなられたときは、ひとつ屋根の下で暮らしてきたお友達に最後のお別れをしていただくため、施設内で葬儀を行い、みんなでお見送りさせていただいています。2021年夏には、ご縁があったすべての人に納骨していただける“みんなのお墓”も建立しました。「これで死んでも安心」などと、いささか気の早い声もいただいていますが、このことで、「亡くなった後でも寂しくない」と言えるようになりました。

また、当社らしい新たなチャレンジと言えるのが農業。野菜を育てることは楽しいですし、みんなの「おいしい野菜を食べたい」というニーズに対応できます。介護施設では、栄養士がバランスを考えた献立で提供していますが、スタッフが日常食べているものには不安を感じました。私自身、病気を経験し、食べ物が健康に与える影響を再認識したこともあり、これからは、自分たちが育てた野菜を使って、利用者さんと、仲間、子どもたちの身体をつくっていきたいと考えています。

また、農業事業を進める中で農福連携を知り、障がいを持つ人が活躍できる場をつくることも始めました。社員やグループホーム入居者で収穫する事業を想定し、大型ハウスの水耕栽培で安定的な働く環境を創ります。農業は、障がい者が楽しく本気になれる仕事を得るきっかけになるはず。また、従業員が「この会社は普通の介護の会社ではない」と認識するきっかけにもなりました。「おにぎりと味噌汁の専門店をやりたい」など、従業員から新しいアイデアも出て、社内が活性化している手ごたえを感じます。

国頼りではない自立した施設に

――実現したいミライは?

私たちの仕事に対する共感の輪を広げるために、どんどんおもしろいことに挑戦していきたいです。前述した農業もそのひとつ。「介護職」の枠を超えて楽しく、笑いながら仕事をして、子どもたちの憧れの存在になれたらと思っています。

今、作りたいと考えているのは、会社に関わる人が気楽に集まることができるキャンプ場です。おいしい野菜があって、元気な高齢者が住んでいる。その環境を、従業員や障がい者が管理する、農業と介護の連携に挑戦したい。将来の介護施設のあり方の一つだと考えています。これまで同様の国頼りでは将来は成り立たない。もっと、自立した施設にならないといけないと考えています。振り返れば、農業を本気でやりたいと願い、必要なことが後からついてきたという感覚ですが、結果として介護の課題解決と農業がつながりそうです。

学生とともに実現したいこと

こうやったら面白いという意見をもらってそれを形にし、若い人から選ばれる場所になるよう価値を高めたい。

Commentミラプロメンバーから見た株式会社TRUST Relation

近寄りがたい印象とは裏腹に、意外とあたたかい素敵なおっちゃんです!介護を通じて日本を元氣にしようという使命感を胸に仕事に取り組む姿勢には、いつも感動させられます!スタッフみなさんもイキイキと仕事を愉しんでいるのは、その姿勢に感化されるからでしょうか。関わったら人生が豊かになる、と思わせてくれる会社です。

株式会社Dreams 代表取締役社長宮平 崇さん

何と言っても、介護への想いが非常に強い田井さんの人柄が魅力的です。介護甲子園など、「介護職はカッコいい仕事だ」と全国に発信する活動は、本当に素晴らしい取り組みだと尊敬しています。行動力もピカイチで、ミッションをクリアしながら道を切り開いていく姿は、まさにリーダー。笑いのセンスも抜群で常に場の中心にいる人気者です。

三嶋商事株式会社 代表取締役社長三嶋 頼之さん

Profile会社情報

会社名

株式会社TRUST Relation

所在地

〒594-0022
和泉市黒鳥町1-14-18

電話番号

0725-39-1124

スタッフ数

60名(※パート・アルバイトを含)

事業内容

高齢介護事業 / 障がい福祉事業 / 農福連携事業

Webサイト 採用サイト

Features企業のらしさ

  • 社会的理念力

    • 理念の明確性
    • 理念の浸透性
    • 社会(地域)貢献性
  • 自律協働型組織力

    • 人材育成
    • 関係性
    • 多様性
  • 持続的革新力

    • 独自性
    • 収益性
    • 顧客志向
    • 戦略性
    • 協働性
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