――生い立ちは?
香川県で生まれ、親の転勤で小学4年生から大阪に住んでいます。引っ越しや環境の変化は私の中で大きな出来事でした。
転校先の学校では、「発言したい、意見を交わしたい」と思っても、真剣に取り組む人が少なくて自分を出せませんでした。真面目にやればやるほど生きづらさを感じ、「学校ってやりたいこともできないし、言いたいことが言えないんだ」とモヤモヤしました。
高校は志望校に入学しましたが、コロナ禍で人との交流や部活、学校行事も制限されていました。それに、小学生時代から抱えていた「自分の意見や、やりたい!という思いを出せる」環境ではないことに気付き、1年生の夏に退学を決断しました。
次の進路は、企業インターンのプログラムがあるフリースクールの類学舎、ここしかないと決めました。
――ミラプロを知ったきっかけは?
高校2年の3月からの2ヶ月間、参画企業の株式会社Dreamsのインターンシップに参加したのがきっかけです。初めの1ヶ月はポップコーンの製造と販売と接客を行い、2ヶ月目は企画出しを実践しました。
企画を採用していただけるチャンスもたくさんあって、自由に楽しく大胆なチャレンジをさせてもらえた貴重な体験でした。
インターン後、Dreams代表取締役社長 の宮平 崇さんに「ミラプロというおもしろい集まりがある」と教えてもらい、初めてミラプロのイベントに参加しました。
ゼロからの事業スタートで試行錯誤の毎日
――「お米処いろは」について
インターンが終わって1週間後、宮平さんから「キッチンカーをやらないか」と声がかかったんです。「まさか私に」と驚きましたが、面白そうだなという直感を頼りに「やります」と返事をしました。
2022年11月から仲間と一緒に手作りでキッチンカーを作るなど準備を進め、2023年4月にスタートしました。
現在、キッチンカー「お米処いろは」で発芽酵素玄米おむすびなどを提供しています。発芽酵素玄米は専用の圧力釜の炊飯器で約7時間かけて炊くので、玄米とは思えないほどもちもちです。企画から運営まですべて一人で行っています。
――試行錯誤したことは?
販売を始めるまでにキッチンカー作り・商品開発・商品の見せ方・パッケージ・販売方法など決めることがたくさんあって本当に悩みました。たとえば販売場所もオフィス街に出店するのか、会社に届けるケータリングにするのか、イベント出店するのかなど……。
自主的に動けるからこそ、選択肢がたくさんあります。何もわからない状態から事業に取り組んだので、誰かに相談するにしても、うまく言葉にするのが難しく、たくさんのアドバイスからどれを選んだらいいのか迷うこともありました。
今でも毎日、試行錯誤しています。ただ宮平さんは、そうなることも予想して、私に声をかけてくれたのだろうと思っています。
去年一年間は、0を1にする作業に時間を費やしました。今年はブラッシュアップしたり形を変えたりして、1だったものを2や3にしていくつもりです。
キャプテンになった理由は「素敵な大人たちの存在」
――キャプテン就任の背景
ミラプロには「素敵な大人がたくさんいる」と感じています。運営メンバーの佐々木 研さんもその一人です。ミラプロの出前授業でお話を聞き「マインドや生き方が理想的だな」「こういうふうに生きられたらいいな」と心に残っていました。
佐々木さんからキャプテンに抜擢され、「一緒に取り組んでみたい、やるしかない!」と決意したんです。
――ミラプロで実現したいことは?
ミラプロのテーマは「若者と共に地域のミライを創る」こと。ミラプロに興味を持つ若者の数をもっと増やして、自分のやりたいことや本当の思いを言える場になるよう企画を考えたいです。
早速、次回のミライ会議では「社会人と若者の大交流会」をテーマにする予定です。出席する社会人には、若者を必ず一人連れてきていただくようお願いしました。
参画している方々とつながって新しいことが生まれたり、参画企業に就職したりする人が出てくると面白いですよね。就職後にミラプロでの経験を役立てる、ミラプロに帰ってくるなど、新たなストーリーに発展するといいなとも願っています。
キッチンカー事業でもミラプロに参画されている企業さんとコラボしたいので、声をかけていこうと思います。
そして、ミラプロでは、お金だけではなく、気持ちやモノで返す優しいつながりを作ることができます。自分自身もそう振る舞える人になっていきたいですね。